Design Suite概念:データマッピングとデータシート

データマネージャを使用すると、描画オブジェクトに連結するデータフィールドや、オブジェクト情報パレットのデータタブでのデータの表示および入力の方法を制御できます。

データマネージャでは、以下の用語を使用します。

データセット:オブジェクトに適用できるデータフィールドのセットです。これは、標準のVectorworksパラメータまたはIFCフィールド、あるいはユーザーが作成するレコードフォーマットのカスタムフィールドになります。フィールドのカスタム条件式を定義して、任意のデータセットから他のフィールドの内容を含めることもできます。データセットは、オブジェクトの種類またはオブジェクトのクラスに基づいて、自動的にオブジェクトに連結できます。

データシート:オブジェクト情報パレットのデータタブで選択して、オブジェクトのデータを入力できるフィールドのグループです。フィールドはオブジェクトに連結された任意のデータセットから選択でき、カスタムラベルを割り当てることができます。目的に応じて複数のデータシートを作成できます。また、Vectorworksのプラグインオブジェクトにも複数のデータシートが用意されています。

データマッピング:Vectorworksファイル内の特定のタイプのオブジェクトに対してデータを入力するのに使用できる、データセットやデータシートの集合体です。

以下の種類のオブジェクトのデータをマッピングして、データシートを作成できます:

内蔵(デフォルトのVectorworks)プラグインオブジェクト

カスタム(サードパーティ)プラグインオブジェクト

2D/3Dおよび3Dシンボルの定義

クラスが割り当てられている任意のオブジェクト

たとえば、大規模な建築事務所では、生産性を最大限に高めてエラーを最小限に抑えるために、BIMマネージャが、壁、ドア、窓など共通するすべてのArchitecturalオブジェクトのデータマッピングを規定する場合があります。設計プロセスの間、経験の浅いスタッフは「基本的」なデータシートのセットを使用して、高さ、幅、およびスタイルなどのデータを入力できます。これにより、複雑なインターフェイスのために若手の製図者の作業が滞ることはなくなり、ミスをする可能性も低下します。その後、より熟練した設計者が別のデータシートのセットを使用して、トリム、詳細、仕様、および分類のプロパティを入力できます。

IFCデータマッピング

BIMプロジェクトでは、特定のオブジェクトやシンボル定義をIFCに取り出すかどうかを制御したい場合があります。特定のオブジェクトのプロパティセットも取り出す前に制御できるため、オブジェクトまたはプロパティセットのレベルで取り出しをフィルタできます。加えて、オブジェクトに連結された外部データを、取り出す前にIFCに相当するものにマッピングする必要が生じる場合があります。ファイルの複数のカスタムマッピング設定を定義、保存、および復元できます。選択したIFCオブジェクトは、マッピングを使用するか使用しないかを選択できます。

以下に、IFCデータマッピングが役立つ例をいくつか挙げます。

オブジェクトのデフォルトのIFC割り当てにデータを追加する場合。

マッピングすると、プロパティおよびデータセット情報を、デフォルトのIFCデータだけでなくオブジェクトにも連結できます。多くのVectorworksオブジェクトには、デフォルトのIFC割り当てには含まれていないユーザー定義のデータが含まれています。たとえば、ドアのタイプ指定や遮音性能は、ドアオブジェクト内のユーザー定義データです。これらのパラメータは、対応するIFCパラメータ値にマッピングできます。

カスタムレコードフォーマットからIFCプロパティセットにデータをマッピングする場合。

Vectorworksでは、カスタムデータはレコードフォーマットを使用してオブジェクト(デフォルトオブジェクト、プラグインオブジェクト、カスタムモデルのオブジェクト)に連結されます。カスタムレコードフォーマットのパラメータは、対応する正しいIFCプロパティセットにマッピングできます。たとえば、ローカルな規則や仕様システムを、カスタムレコードを通じてオブジェクトに連結できる場合があります。これらのレコードのパラメータをIFC分類データセットにマッピングして、IFCモデル交換中にデータをやり取りできます。

デフォルトのIFC割り当ておよびプロパティセットを、カスタムモデルのオブジェクトまたはシンボルに連結する場合。

すべてのカスタムオブジェクトにIFC割り当ておよびプロパティセットを定義して、カスタムオブジェクトをファイル内に配置するたびに適切なIFCラベルが割り当てられるようにできます。