シーンオブジェクトのPSNおよびDMX変換
PosiStageNet(PSN)はオープンソースのプロトコルであり、オブジェクトの移動や回転を事前にプログラミングしたり、アクティブに制御したりできます。PSNまたはDMXプロトコルを使用して、トラスや大道具といったVectorworksオブジェクトの位置や向きを制御できます。これは、ステージ上のトラスオブジェクトをさまざまな位置に「浮かせ」たり、Showcaseがアクティブな場合にステージオブジェクトをさまざまな合図でステージ内外に移動したりするのに便利です。
特別なXform_DMXおよびXform_PSNレコードフォーマットをオブジェクトに連結することで、PSNおよびDMX自動化を定義します。これらのフォーマットは、Vectorworks Spotlightのデフォルトのテンプレートファイルに含まれています。
Visionなど外部のプリビズプログラムに取り出す場合は、そちらで変換を定義できます。
PSN変換
PSNデータはPSNサーバーから取得されます。PSN Tracker IDと呼ばれる固有の識別子は、Vectorworksで連結したレコードと、PSNサーバーで同じにする必要があります。Showcaseがアクティブな場合、ネットワーク上のPSNサーバーデータがオブジェクトまたはレイヤのPSN Tracker IDと一致すると、PSNデータが適用されて、オブジェクトの回転や移動が行われます。
Showcase設定で、PSNの絶対原点を指定します。
PSN変換を使用して、シーン内のアイテムを回転および移動します。PSNは、X、Y、およびZ軸で同時に回転できます。移動はオブジェクトの回転とは独立して行われます。時にPSNデータに誤りが生じることを考慮して、複数のPSN位置パラメータが存在します。たとえば、PSNサーバーからデータを受け取った後、オブジェクトを正しく配置するため、1つの軸に沿ってオフセットを追加する必要が生じることがあります。
PSNモードでオブジェクトを変換するには:
オブジェクトを選択します。
PSNサーバーからオブジェクトに固有のPSN Tracker IDを取得します。
オブジェクトにXform_PSNレコードフォーマットを連結します。レコードフォーマットをシンボルまたは図形に連結するを参照してください。
オブジェクト情報パレットのデータタブでレコードを選択し、レコード情報を入力します。
クリックすると、パラメータの表示/非表示を切り替えられます。クリックすると、パラメータの表示/非表示を切り替えられます。
パラメータ |
説明 |
Tracker ID |
PSNサーバーから取得した、オブジェクトまたはレイヤに固有のPSN Tracker IDを入力します。 |
Coordinates |
ワールド座標とローカル(相対)座標のどちらを使用するかを選択します。ワールド座標を選択すると、すべてのオブジェクトの位置、およびオブジェクトとそのすべての親の角度フィールドは無視され、サーバーから送信されたPSNデータのみが使用されます。ローカル座標を選択すると、PSNデータに加えて、オブジェクトとそのすべての親の位置と角度の値が適用されます。 |
Axis Order |
デフォルトが正しくない場合に、軸の順序を指定します。これにより、右、上、および奥行きを示す軸が決まります。PSNの標準では、Xが右、Yが上、Zが奥行きと指定されています。 |
Rotation Order |
デフォルトが正しくない場合に、回転の順序を選択します。これにより、角度の適用順序が決まります。PSNの標準では軸の回転順序は指定されていませんが、Vectorworksでは、デフォルトの順序はYXZに設定されています。 |
Unit Scale Factor |
PSNの仕様では、メートルが使用されています。PSNデータの中には、インチやミリメートルなど任意のデータ単位を使用している場合もあります。必要に応じて、PSN Unit Scale Factorに値を入力し、PSNデータ値の乗数として機能させることで、データが適切に動作するようにします。 |
Position Offset |
軸ごとにPSN Position Offset値を入力します。これは、Vectorworksファイルの原点とPSNサーバー上の原点が一致しない場合に便利です。 |
Rotation Offset |
軸ごとにPSN Rotation Offset値を入力します。これは、PSNサーバーから誤った回転値が送信されて修正が必要な場合に便利です。 |
Enable Position |
オブジェクトの移動に関わる軸を選択し、位置データを無視すべき軸の選択を解除します。移動はアイテムの回転による影響を受けません。方向は、選択した座標空間を基準とします。 |
Enable Rotation |
オブジェクトの回転に関わる軸を選択し、回転データを無視すべき軸の選択を解除します。回転は、選択した座標空間を基準とします。 |
Rotation point |
回転する点の座標を指定します。 |
PSN Tracker IDがPSNサーバーのものと一致すると、サーバーからオブジェクトに位置と回転のデータが送信され、Showcaseをアクティブにした時に、オブジェクトの移動や回転が行われます。
DMX変換
DMX変換により、Showcaseをアクティブにした時に、シーンで選択したアイテムを伸縮、回転、および移動できます。伸縮と移動は、オブジェクトの回転とは独立して行われます。
DMXモードでオブジェクトを変換するには:
オブジェクトを選択します。
オブジェクトにXform_DMXレコードフォーマットを連結します。レコードフォーマットをシンボルまたは図形に連結するを参照してください。
オブジェクト情報パレットのデータタブでレコードを選択し、レコード情報を入力します。
Vectorworksのレコードフィールドでは、Zは「上」と指定されています。ただし、Visionと互換性がある以下のDMXチャンネル表では、Yが「上」となっています。
クリックすると、パラメータの表示/非表示を切り替えられます。クリックすると、パラメータの表示/非表示を切り替えられます。
パラメータ |
説明 |
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Universe |
ユニバースを入力します。 |
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Channel |
DMXアドレスを入力します。 |
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Delta X/Delta Y/Delta Z |
Delta値を入力し、軸ごとに移動の方向と大きさを指定します。移動はアイテムの回転による影響を受けません。方向は、アイテムのローカル座標空間を基準とします。 必要な移動のDMXプロファイルを設定します。
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Rotation Axis |
回転軸を選択するか、Noneを選択します。 回転のDMXプロファイルを設定します。 回転はワールド原点ではなく、ローカル原点を中心として行われます。
回転(連続)のチャンネルには、回転が発生しない3つの「デッドゾーン」(0%、49~51%、100%)があります。回転は、48~1%が時計回り(DMX値が小さいほど効果は高まります)、52~99%が反時計回りになります。 |
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Rotation Delta |
インデックス回転の最大角度を設定します。 |
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Rotation RPM |
連続回転の最高速度を設定します。 |
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Scale X/Scale Y/Scale Z |
軸ごとの倍率を入力し、選択したオブジェクトをその軸に沿って伸縮します。伸縮はオブジェクトの回転による影響を受けません。 伸縮のDMXプロファイルを設定します。
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Rotation Point X/Rotation Point Y/Rotation Point Z |
回転する点の座標を指定します。 |
DMX XFormのパラメータを使用して、選択したオブジェクトを伸縮、移動、回転します。
DMXのグローを制御する
プリビジュアライゼーションの比較的よくあるニーズは、発光するオブジェクトをDMXで制御することです。一例として、ショーの参加者が着用し、色や明るさが変化するブレスレットがあります。
グローの反射属性を使用して任意の3D図形にテクスチャを割り当て、Glow_DMXレコードを割り当てて、Showcaseがアクティブな時に、DMXを使用して色や明るさを制御できます。
オブジェクトのDMXのグローを制御するには:
オブジェクトを選択します。
イメージの色属性とグローの反射属性を備えたテクスチャをオブジェクトに割り当てます。テクスチャを適用およびマッピングするを参照してください。
オブジェクトにGlow_DMXレコードフォーマットを連結します。レコードフォーマットをシンボルまたは図形に連結するを参照してください。
オブジェクト情報パレットのデータタブでレコードを選択し、レコード情報を入力します。
クリックすると、パラメータの表示/非表示を切り替えられます。クリックすると、パラメータの表示/非表示を切り替えられます。
パラメータ |
説明 |
Type |
リストでRGBを選択します。最初のDMXチャンネルは赤を制御し、2番目のチャンネルは緑を制御し、最後のチャンネルは青を制御します。 |
Candela |
すべてのDMXチャンネルが100%の時の明るさの最大値を指定します。 |
Universe |
ユニバースを入力します。 |
Channel |
DMXアドレスを入力します。 |
DMXを使用して、オブジェクトの明るさと色を制御します。