生物多様性ネットゲイン計算ツール(Biodiversity Net Gain Calculator)
生物多様性ネットゲイン(BNG)は主に英国で適用されている指標であり、開発用地の自然環境を開発活動前よりも良い状態で残し、失われた生息地を置き換えて、残る生息地の創出または拡大により生物多様性のネットゲインを10%達成することが求められます。このゲインは少なくとも30年間持続可能でなければなりません。BNGには、完全な指標とSmall Site Metric(SSM)という2つのバージョンの指標があります。より小規模な敷地では計算にSSMを使用でき、サステナビリティダッシュボードでその計算が行われます。完全な指標はエコロジストによって評価される必要があります。現時点で、サステナビリティダッシュボードには完全なフレームワークは実装されていません。
地域の計画当局が提出された計算を審査し、エコロジストなどの専門家が実施したものでない場合は、その計算が却下されることがあります。最終的な計画をエコロジストなどの専門家が審査する必要性は残るかもしれませんが、Vectorworksで設計する際にBNGのSSMを実装することで、提出する設計の準備に役立ちます。
生物多様性ネットゲイン計算ツール(Biodiversity Net Gain Calculator)を使用するには:
地形モデルを追加するか、簡単な多角形を描画して、プロジェクトの境界線を作成します。計算では投影領域が使用されるため、地形モデルを使用できますが、必須ではありません。一度プロジェクトの境界線を設定すると、変更はできません。
BNG Project Boundaryレコードフォーマットを境界線オブジェクトに連結し、サステナビリティダッシュボードでオブジェクトをプロジェクト境界線として適切に識別できるようにします。サステナビリティのレコードフォーマットは、「Libraries」>「Defaults」フォルダの「Record Formats」>「サステナビリティ」ファイルにあります。オブジェクトにレコードを連結する方法に関する詳細は、レコードフォーマットをシンボルまたは図形に連結するを参照してください。
開発の前に、境界線内の既存の環境を評価します。これが基準になります。プロジェクトを構成する適切な生息地、生け垣、および水路を作成します。生け垣と水路は直線(長さ)でレポートされるのに対し、その他の生息地は面積でレポートされます。仮の設計では、円、多角形、四角形などの形状を使用して、BNG Sheetレコードフォーマットを連結します。より詳細な設計では、生け垣、ランドスケープエリア、舗床、植栽、既存樹木などのツールを使用します。
Vectorworks 生物多様性ネットゲイン(BNG)エディタダイアログボックスを開くには、次のいずれかの操作を行います:
Vectorworksのツールで作成したパラメトリックオブジェクトの場合は、オブジェクト情報パレットから設定をクリックし、サステナビリティペインを開きます。新規フレームワークをクリックします。フレームワークでBNG Sheetを選択してから、フレームワークを編集をクリックします。
生け垣オブジェクトの場合は、オブジェクト情報パレットからサステナビリティフレームワークをクリックします。農地境界生け垣のサステナビリティデータダイアログボックスで、新規フレームワークをクリックします。フレームワークでBNG Sheetを選択してから、フレームワークを編集をクリックします。
形状の場合は、オブジェクト情報パレットのデータタブからサステナビリティデータの編集をクリックします。
アイドロッパツールを使用して、レコードが連結されたオブジェクトからデータを取得し、他の類似のオブジェクトにドロップします。より大規模なプロジェクトでは、パラメトリックオブジェクトのサステナビリティ設定をスタイルとして保存します。データマネージャを使用し、レコードを検索条件によるオブジェクトとして連結することもできます。
樹木を除き、植栽は通常、BNGの計算には含まれません。オブジェクト情報パレットのデータタブから、BNG Plantレコードフォーマットを連結します。データタブで、成熟時の樹木において予測される胸高直径(DBH)を指定します。既存樹木の場合、この値は既存樹木パラメータから取得されます。
Vectorworks 生物多様性ネットゲイン(BNG)エディタダイアログボックスから、面積生息地、農地境界生け垣、または水路に関連するパラメータを指定します。選択に基づいて特異性および状態指数が割り当てられ、BNGの計算に組み込まれます。
クリックすると、パラメータの表示/非表示を切り替えられます。クリックすると、パラメータの表示/非表示を切り替えられます。
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パラメータ |
説明 |
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タイプ |
許容されたカテゴリのいずれかにオブジェクトが該当するかどうかを次から選択します:面積生息地、農地境界生け垣、または水路 |
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基準生息地、新規創生生息地、または改善生息地オブジェクトのいずれであるかを選択します。これにより、オブジェクトが既存または新規か、あるいは既存のオブジェクトの改善であるかが決まり、計算やプロジェクトへの影響も決まります。改善生息地オブジェクトは、基準生息地オブジェクトの上に配置する必要があります。 |
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特定の地域戦略に含める |
この乗数は生息地の値に影響を与えます。 |
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広域生息地群 |
生息地タイプに対して、広範なカテゴリを選択します。検索ボックスにテキストを入力すると、リストの項目が絞り込まれます。 |
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生息地タイプ |
生息地のより具体的なカテゴリを選択します。 |
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特異性/状態 |
選択した生息地の特性に対する指数が表示されます。 |
まずオブジェクトの基準値を指定してから、新規創生生息地タイプと改善生息地タイプを追加します。改善生息地オブジェクトは基準生息地オブジェクトの上に配置する必要があり、基準生息地は改善が許可されていなければなりません。そうでない場合、新しい生息地が必要になります。
既存の生息地を新しい生息地で置き換えるよりは既存の生息地を保持した方が望ましく、まったく新しい生息地を構築するよりは、既存の生息地を改善する方が望ましいと言えます。
サステナビリティダッシュボードで、目標の割合を指定するか、(推奨される)デフォルトの10%のままにしておきます。対象とするレイヤを選択します。設計に生息地タイプを追加するたびに、再計算をクリックします。ダッシュボードに結果が示されます。サステナビリティダッシュボードを参照してください。
敷地を変更してデータを更新すると、サステナビリティダッシュボードのBNG値に変更が反映されます。基準から結果が計算され、パラメータの合計値に応じて上下します。新規創生生息地または改善生息地によって、基になる基準生息地から面積が差し引かれます。その結果は常にプロジェクトの総面積に基づいて計算されます。
必要な結果が得られ、設計が完成したら、取り出しをクリックしてレポートを作成し、審査のため専門家に提出したり、共有したりできます。SSMを提出する場合は、正式なスプレッドシートにデータを取り込むことができます。ファイルをShapeファイルとして取り出すこともできます。
