クイックスタート:簡単なシーンをレンダリングしてみましょう
難易度:初級
レンダリングを行うと3D図形に立体感が出るほか、テクスチャ、照明や影、およびその他の視覚効果をもたらすことができます。写真のようにリアルな描画や高度に様式化された図面を作成するのは複雑なプロセスにもなりますが、いくつか簡単なステップを踏むだけで、デザイン完成後の外観をイメージできる基本的なレンダリングを作成できます。このトピックでは、さまざまな種類の3D図形にテクスチャを適用し、シーンに照明を当て、必要なビューを設定し、レンダリングモードを選択して、デザインの効果を引き出します。
コマンドとツールの場所は作業画面によって異なります。クイック検索機能の使い方を学ぶと、コマンドやツールをすばやく見つけることができます。クイック検索を参照してください。Vectorworksヘルプシステムでは、コマンドとツールのPDFを確認することもできます。
3D図形にテクスチャを追加して適用する
さまざまな方法で各種の3D図形にテクスチャを適用できます。種類の異なる図形をいくつか追加してみて、どのように機能するかを把握しましょう。
以下で説明する3D図形の中には、記載しているようにVectorworks Design Suite製品のライセンスが必要なものもありますが、テクスチャの適用とレンダリングは一般にVectorworks Fundamentalsのライセンスで使用できます。
新規コマンドを選択して、空の新規ファイルを開きます。
図面が2D/平面ビューで開きます。
表示バーの現在のレンダリングモードからシェイドを選択するか、ビュー>レンダリング>シェイドを選択します。このモードは3Dビューでの作業に適しており、色、テクスチャ、影、および形状の全体的な印象をすばやくつかむことができます。
壁
壁のほか、スラブや屋根など構成要素を含む一部のオブジェクトは、オブジェクト情報パレットのレンダータブを使用してテクスチャを適用できます。
壁ツール をクリックして、頂点モード
をクリックします。
ツールバーの壁スタイルをクリックします。リソースセレクタのVectorworksライブラリにある高さ固定の壁スタイルライブラリの1つから、壁スタイルを選択します。汎用またはカーテンウォール(CW)スタイルは選択しないでください。リソースセレクタに表示される断面のサムネイルでいくつかテクスチャを確認しましょう。
図面の左上の象限をクリックして、壁の一方の端を配置します。マウスを右に移動して再度クリックし、必要な長さの壁の描画を終了します。
壁にはすでにスタイルの一部としてテクスチャが追加されていますが、必要に応じて変更できます。
表示バーの現在のビュー/標準ビューリストから斜め右を選択するか、あるいはテンキーの3を押すか、あるいはオンスクリーンビューコントロールのキューブを使用してこのビューに切り替えると、壁の内側のテクスチャが表示されます。
壁を選択し、オブジェクト情報パレットのレンダータブを開きます。モードが構成要素別に設定されていることを確認します。
テクスチャブラウザで、壁の構成要素が外側の構成要素から内側の構成要素の順に一覧表示されます。
テクスチャブラウザのリストの一番下にある内側の構成要素を選択します。テクスチャブラウザの下のリソースセレクタに、選択したテクスチャが表示されます。
リソースセレクタから、別のテクスチャを選択します。壁の構成要素のテクスチャが変わります。
この壁は、むき出しの石膏ボード仕上げから木製パネルになりました
プラグインオブジェクト
ドア、キャビネット、ソフトグッズ(カーテン)など、ツールを使用して挿入するプラグインオブジェクトの多くは、設定ダイアログボックスからテクスチャを指定できます。この例で使用するドアなど、ほとんどのプラグインオブジェクトにはVectorworks Design Suite製品のライセンスが必要ですが、Vectorworks Fundamentalsのライセンスで使用できるものもあります。
ドアツール をクリックし、ツールバーの設定
をクリックして、ドア設定ダイアログ ボックスを開きます。ドアツールのデフォルトであるスタイルなしを選択したままにします。
マテリアルとクラスペインをクリックします。
ドアのパーツ候補リストが表示されますが、パーツによってはドアの内側と外側が含まれており、それぞれに異なるテクスチャを適用できます。Shiftキーを押しながら、複数のパーツを選択してすべて同じテクスチャにすることができます。この例で使用しているシンプルなパネルドアには、パーツがほとんどありません。
パネル>内側のリスト行を選択します。
リストの下のテクスチャフィールドをクリックし、リソースセレクタからテクスチャを選択します。検索フィールドに「ペイント」と入力し、ドアの内側の塗装色を選択します。
壁にカーソルを重ね、壁が強調表示されたらダブルクリックしてドアを挿入します。
内側がグレイに塗られたドアが、木製パネルの壁に挿入されました
3Dモデリング図形
手動でモデリングした3D図形の場合、図形全体や選択した面にテクスチャを適用することもできます。この例では、ドアの横にごく基本的なスツールを追加してみましょう。
2D/平面ビューから、円ツール をクリックし、ドアの横に円を描画します。
円ツールと描画した円を選択したまま、斜め右ビューに戻ります。
ビューを変更する前にそれ以上の描画操作をしないことで、円ツールのプッシュ/プルモード が保持されます。
円にカーソルを重ねます。強調表示されたらクリックし、マウスを上方向に動かして押し出しを作成します。再度クリックして、押し出しの高さを設定します。
テクスチャツール をクリックし、ツールバーのオブジェクトに適用モード
をクリックします。
ツールバーのテクスチャをクリックして、リソースセレクタを開きます。検索フィールドに「布」と入力し、スツールの椅子張りのテクスチャを選択します。
押し出しをクリックしてテクスチャを適用します。
スツールの上面に側面とは異なるテクスチャを適用するには、テクスチャツールを選択したまま、面に適用モード をクリックし、リソースセレクタから別の布地を選択します。
カーソルをスツールの上面に重ねます。上面が強調表示され、テクスチャを適用できる面であることが示されます。
クリックして、スツールの上面にテクスチャを適用します。
丈夫なスツールがあれば、外出時に靴を履く時に便利です
光源を追加する
デフォルトで、Vectorworksの図面には環境光が使われます。環境光は一般的な表示に適していますが、影を付けたり、空間内で個々の光源の効果を示したりすることはできません。図面に光源図形を追加して、室内の照明器具や太陽の見え方を示すことができます。
複数の光源を使用してより高度なレンダリングを作成する場合は、環境光をオフにして、図面内の光源図形の効果を最大限に引き出すことを推奨します。具体的な方法は、光源オプションを設定するを参照してください。ただし、この例ではそのような変更は行いません。
2D/平面ビューから、光源ツール をクリックし、点光源モード
をクリックします。
図面内をクリックして、光源図形を挿入します。
光源を選択したまま、オブジェクト情報パレットの形状タブでOnと影を付けるが選択されていることを確認し、光源図形の高さZを設定して、天井の照明器具を設置する辺りに配置します。
斜め右ビューに戻り、レンダリングモードがシェイドに設定されていることを確認します。
光源の輝きを確認します。光の強さは壁に沿って変化します。
壁にスツールの影が付いていない場合は、表示バーにある現在のレンダリングモードオプションのアイコン をクリックして、シェイド設定ダイアログボックスを開き、影をクリックします。地面のみがオフになっていることを確認してください。
デザインレイヤで作業している間、光源図形はデフォルトで表示されたままになっているため、移動したり設定を変更したりする必要がある場合に、これを選択できます。この設定は環境設定で変更できます。
ビューを設定する
Vectorworksには複数の標準ビューが用意されていますが、カスタムビューを設定することもできます。図面ビューを変更するには、次のいずれかの操作を行います:
表示バーの現在のビュー/標準ビューリストまたはオンスクリーンビューコントロールのキューブから、標準ビューを選択します。後ろの標準ビューを選択すると、壁スタイルの外側のテクスチャが表示されます。
オンスクリーンビューコントロールのキューブまたはフライオーバーツール を使用して、ビューを動的に変更できます。
カスタムビューを設定するには、マウスのホイールボタンとCtrl/Controlキーを使用します。
Vectorworksヘルプシステムの図面の表示セクションで説明しているように、Vectorworksでビューを設定する方法は他にも複数あります。
レンダリングモードを選択する
シーンで選択するレンダリングモードによって、見え方には大きな違いが生まれます。これは写真のようにリアルなものから、はるかにラフなスケッチ風のものまで多岐にわたりますが、多くはその中間の外観に分類されます。通常、大規模で複雑なデザインの場合は、ビューポート内でレンダリングモードを変更する必要がありますが、この簡単な例では、デザインレイヤで直接レンダリングモードを変更して、どのようになるか見てみましょう。
表示バーの現在のレンダリングモードリストからさまざまなモードを選択し、上に表示された3D表示のシェイドモードとの違いを確認します。リストの横にあるアイコンをクリックして、各レンダリングモードのレンダリングモードオプションを一部変更することもできます。以下は、斜め右の標準ビューとさまざまなレンダリングモードを使用した描画の例です。
仕上げRenderworks
アートRenderworks設定ダイアログボックスで鉛筆画 (ラフ)スタイルに設定したアートRenderworks
隠線消去
Redshift 屋内 仕上げのRenderworksスタイル
これで基本を理解できたため、デザインのレンダリングについてさらに探求および学習することができます。概念:レンダリングのベストプラクティスのヘルプトピックは、知識を深めるための出発点として最適です。